はじめに
カフェで仕事をすることが増えている昨今、フリーWiFiは便利な存在です。しかし、その便利さの裏には情報漏えいのリスクが潜んでいます。特に個人事業主や中小企業の経営者は、ビジネス情報や顧客データを扱うことが多く、セキュリティ対策を怠ると大きな損害を被る可能性があります。

カフェのフリーWiFiを安全に利用するためのポイントを解説します。
フリーWiFiのセキュリティリスク
1. 通信の盗聴(データ漏えい)
フリーWiFiは暗号化されていないことが多く、悪意のある第三者が通信を盗み見できる可能性があります。メールやパスワード、クレジットカード情報が盗まれるリスクがあります。

情報が盗まれたらどうなる?
- ネットバンキングの不正アクセス:銀行口座から不正送金される危険性があります。
- クレジットカードの悪用:盗まれたカード情報が第三者に売られ、不正利用される可能性があります。
- 企業機密の流出:取引先の情報や契約書などが漏れることで、信用問題に発展することがあります。
- 個人情報の流出:メールアカウントが乗っ取られ、顧客やビジネスパートナーに偽のメッセージが送られる危険もあります。
2. なりすましWiFi(悪意のあるホットスポット)
正規のWiFiとそっくりなSSID(WiFiの名前)を使い、ユーザーを騙して接続させる手口があります。気づかずに接続すると、入力したIDやパスワードがそのまま盗まれることも。

同じSSIDが2つあったらどちらか一方はアウトです!
区別がつきませんので、接続するのをあきらめましょう。
3. 中間者攻撃(MITM攻撃)
WiFiの通信経路を乗っ取ることで、送受信されるデータを盗み見たり、改ざんされたページに誘導されたりする攻撃です。ログイン画面に見せかけた偽サイトへ誘導され、パスワードを盗まれることがあります。

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)より引用
情報が盗まれたらどうなる?
- 社内システムに不正侵入:企業の内部ネットワークにアクセスされ、機密情報を抜き取られる可能性があります。
- アカウントの乗っ取り:SNSやクラウドサービスのアカウントが奪われ、不正な投稿やデータ消去のリスクが生じます。
- フィッシング詐欺の被害:攻撃者が偽サイトを作成し、そこにログインさせることで、さらなる情報搾取が行われることがあります。
4. マルウェア感染
フリーWiFiを利用している間に、不正なプログラム(マルウェア)がデバイスに送り込まれ、ウイルス感染やランサムウェアによるデータ損失のリスクがあります。

ランサムウェアとは、データを暗号化して身代金を要求するやつです。
5. WiFiの自動接続によるリスク
過去に接続したWiFiと同じSSID(WiFiの名前)があると、自動的に接続されることがあります。これを悪用して、偽のWiFiに意図せず接続してしまう可能性があります。

特にフリーWiFiの自動接続は解除しましょう。
カフェのWiFiを安全に使うための7つの対策
では、カフェでフリーWiFiを使うにはどうしたらいいんでしょうか。
対策案を考えてみます。
1. VPNを利用する(最も有効な対策)
VPN(仮想プライベートネットワーク)を使うことで、通信を暗号化し、盗聴やデータ漏えいを防ぐことができます。個人事業主や企業経営者は、必ずVPNを導入することをおすすめします。
VPNサービスには有料、無料、セキュリティソフトに付随するものなど多く存在します。
無料より有料の方が安心ですが、「お金をかけたくないな」と思って何もしないよりは無料のサービスを使った方がはるかに安全です。
無料で使えるおすすめのVPNサービス:
- NordVPN(ユーザー保護やセキュリティが充実)
- ExpressVPN(多くのサーバーを持ち安定した接続が可能)
- ProtonVPN(無料版の通信量に制限がなく、信頼性も高い)

登録が不要なものなど様々なものがあります。下記サイトなどは分かりやすくてお勧めです。

2. HTTPS通信を確認する
フリーWiFiを使う際は、ブラウザのアドレスバーに「https://」が表示されているかを確認しましょう。HTTPS通信ではデータが暗号化されるため、攻撃者に傍受されにくくなります。
3. WiFiの自動接続をオフにする
スマホやPCのWiFi設定で「自動接続」を無効にしましょう。不正なWiFiに勝手に接続されるリスクを防げます。
設定方法例(Windows)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」
- 「既知のネットワークの管理」から、自動接続をオフにする
設定方法例(iPhone)
- 「設定」→「Wi-Fi」
- 過去に接続したWiFiを選択し、「自動接続をオフ」にする

これだけでも効果がありますので、ぜひやっておいてください。
4. 重要な作業は避ける
フリーWiFiでは、ネットバンキングやクレジットカード決済、企業の機密情報の送受信は行わないようにしましょう。どうしても必要な場合は、VPNを利用するか、モバイル回線を使うのが安全です。
5. 2段階認証(2FA)を設定する
パスワードが漏洩しても、2段階認証を有効にしておけば、不正アクセスを防ぐことができます。Googleアカウント、SNS、クラウドストレージなどの重要なアカウントには、必ず2FAを設定しましょう。
6. ファイアウォールとセキュリティソフトを活用する
- WindowsやMacのファイアウォールをONにする
- ウイルス対策ソフトをインストールする(ESET、Bitdefender、Windows Defenderなど)
特に、ランサムウェア対策が強化されているセキュリティソフトを選ぶと安心です。

スマホ用のセキュリティアプリもあります。
7. テザリングやモバイルWiFiを活用する
最も安全な方法は、フリーWiFiを使わずに、スマホのテザリングやモバイルWiFiを利用することです。
【テザリングの設定方法(iPhone)】
- 「設定」→「インターネット共有」→「ほかの人の接続を許可」
【テザリングの設定方法(Android)】
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ホットスポットとテザリング」
まとめ:安全なWiFi利用でビジネスを守ろう
個人事業主や中小企業経営者は、フリーWiFiを使う際のセキュリティリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが大切です。特に、VPNの利用、自動接続のオフ、HTTPSの確認はすぐに実践できる対策なので、ぜひ今日から取り組んでみてください。
大切なビジネス情報を守りながら、安心してカフェでの作業を楽しみましょう!
セキュリティのことなど気にしている場合ではないと考えている個人事業主や中小企業経営者の皆様。
大事に至る前に、まるっと我々スキルパスにセキュリティ対策をお任せください!
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