企業運営において、データは命そのものです。突然のシステムトラブルやサイバー攻撃、ハードウェアの故障といった万が一の事態に備え、迅速に大切な情報を救出できる体制を整えることは、個人事業主や中小企業の社長にとって不可欠です。そこで今回は、無料かつ使い勝手抜群の「Ubuntu Live USB」を使ったデータ救出用USBの作成方法を詳しくご紹介します。

「Ubuntu」は「ウブントゥ」と読みます。何だか外国人の名前みたいですが、WindowsやMacintoshと比べてもそん色ない無料で使えて人気の高いオペレーティングシステムです。
Ubuntu Live USBとは?
Ubuntu Live USBは、UbuntuというOSをUSBメモリから直接起動する仕組みです。
- インストール不要: パソコンにインストールされているOSに依存せず、USBからUbuntuを起動できます。
- 救出ツールとしての活用: OSが起動できなくなった場合でも、Live USBを使ってデータにアクセス、バックアップ、修復作業が可能です。

パソコンの中のハードディスクがトラブった時に、USBに収まるOSを使ってデータを救出しようという話です。
WindowsのOS自体が起動しない状況では、通常のハードディスクからのブートができず、データにアクセスしたり、システムの診断・修復を行うことが困難になります。そこで、Ubuntu Live USBが登場します。Ubuntu Live USBは、USBメモリから直接OSを起動するため、ハードディスクの障害やシステムファイルの破損があっても、まったく別の正常なOS環境を利用できるのです。
・OSブートプロセスの流れとUbuntu Live USBの役割
【故障時】
①電源投入
↓
②BIOS/UEFI起動
↓
③起動デバイスの選択チェック
↓
④ハードディスク(Windows)
↓(故障)
起動失敗・データが読み込めず
【UbuntuLiveUSB】
①電源投入
↓
②BIOS/UEFI起動
↓
③起動デバイスの選択チェック
↓
④ハードディスク(Windows) (故障) → USBメモリ(Ubuntu Live)
↓
正常起動→救出・診断
どうやって作ればいいのか(Ubuntu Live USBの作成手順)

理屈は分かったから、作り方を早く教えて。
必要なもの
- USBメモリ: 4GB以上(推奨8GB以上)
- 別の正常なパソコン
- UbuntuのISOファイル: Ubuntu公式サイトから無料ダウンロード可能
作成手順の概要
- ISOファイルのダウンロード: Ubuntuの最新バージョンのISOファイルを公式サイトから入手します。
- USB作成ツールの用意: 「Rufus」などの無料ツールを利用します。これらは初心者にも扱いやすいインターフェースとなっています。
- USBに書き込む: ダウンロードしたISOファイルとツールを使用して、USBメモリにUbuntuを焼き付けます。
- 動作確認: 作成したUSBを利用して、対象PCがUSBから起動できるか確認します。
起動方法についてはパソコンメーカによって異なります。「○○ USBから起動する方法」で検索します。 ○○はお使いのパソコンメーカ名を入れてください。
上記作成方法の具体的な手順は「Ubuntu Live USBの作り方」と検索すると様々なサイトが出てきますので、参考にしてください。
※下記はPCメーカ(DELL)が公開している動画です。
(おまけ)UbuntuをWindows10の代わりとして使う
データ救出用として用意しておくUbuntuですが、Windows10のサポート終了後に本格的に乗り換えるという使い方もあります。
業務でどこまで使えるのか、事前に確認しておくのも一案です。
まとめ
経営者として、日々の業務や顧客情報、契約書など、重要なデータの管理は最優先事項です。万が一のシステム障害は、企業活動に大きなダメージを与えるリスクがあります。Ubuntu Live USBの作成は、低コストで手軽に始められる「保険」のようなもの。
「作っておけば、いつでもどこでも、あなたのデータを守れる」
今こそ、備えあれば憂いなし。たった一度の作業が、将来の大きな損失を未然に防ぎます。
さて、「突然のシステムトラブルやサイバー攻撃、ハードウェアの故障といった万が一の事態」になった場合、こういったツールを使ってデータ救出をしていきます。
「よく分からないからお願いしたい」「自分でできるか分からない」
そういった場合は私どもスキルパスにお任せください。
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