「現在利用しているあらゆるツール・仕組みをリストアップする」作業は、IT構成の見直しにおいて最初にして最重要のステップです。ここを丁寧に行うことで、無駄・非効率・重複を“見える化”できます。
以下に、無理なく実施できる具体的な5つのステップを解説します。
✅ ステップ1|「業務単位」で棚卸しを始める
まずは「どんな業務で、何を使っているか」という業務視点で整理します。以下のようなカテゴリで洗い出すとスムーズです:
業務カテゴリ | 具体的な内容 |
---|---|
会計・経理業務 | 会計ソフト、請求書発行、経費精算 |
顧客対応・営業管理 | 顧客台帳、メール、チャット、CRM |
情報共有・社内連絡 | ファイル共有、社内チャット、掲示板 |
プロジェクト進行管理 | 進捗管理ツール、ガントチャートなど |
書類作成・保管 | 見積書・契約書の管理、フォルダ構成 |
勤怠・労務・人事 | タイムカード、シフト表、人員表など |
ITインフラ系 | メールサーバ、ファイルサーバ、PC管理 |
✅ ステップ2|部署ごと or メンバー単位でヒアリング
現場で実際に何を使っているかは「現場の声」が一番確かです。以下のような方法で聞き取りましょう:
- 小規模な会社なら、スタッフ全員に1on1インタビューしても良いです。
- 少し規模があるなら、部署単位で部署長やキーマンに確認。
- 下記のようなテンプレ質問を用いると漏れが防げます:
🎤 ヒアリング例(テンプレート)
順番 | ヒアリング内容 |
---|---|
1 | ふだん使っている業務ツールを教えてください(例:Excel・freee・Chatworkなど) |
2 | それはどんな目的で使っていますか?(例:請求書作成、進捗管理) |
3 | そのツールの操作で困っていることはありますか? |
4 | 同じような機能の別ツールを併用していませんか? |
5 | 使用頻度はどのくらいですか?(毎日、週1、月1、ほとんど使っていない) |
✅ ステップ3|リスト化して“見える化”する
収集した情報を以下のような表形式で一覧化します(ExcelやGoogleスプレッドシートがおすすめ):
業務 | 使用ツール名 | 担当者・部署 | 用途・目的 | 使用頻度 | 不満・課題 |
---|---|---|---|---|---|
経理 | 弥生会計 | 経理担当 | 帳簿付け、請求書発行 | 毎日 | 動作が遅く、クラウド非対応 |
営業 | Excel台帳 | 営業全体 | 顧客管理 | 毎日 | 重複入力が多い |
社内 | Chatwork | 全社員 | 社内連絡 | 毎日 | スレッドが追いづらい |
✅ ステップ4|“重複”や“使われていない”ツールをチェック
リストができたら、以下のポイントに注目してチェックします:
- 同じ用途のツールが複数存在していないか(例:ExcelとBacklog両方で進捗管理)
- 月1回以下しか使われていないツール(=代替や廃止の可能性)
- 操作が難しくて使われていないツール(=社内で“死んでいる”IT)
✅ ステップ5|費用も合わせて記録する
同じシート内に「ライセンス料」「保守料」「トレーニング費用」なども記録しておきます。これにより、次の「コスト見直し」へとつなげられます。
まとめ
ステップ1|「業務単位」で棚卸しを始める
ステップ2| 部署ごと or メンバー単位でヒアリング
ステップ3| リスト化して“見える化”する
ステップ4|“重複”や“使われていない”ツールをチェック
ステップ5| 費用も合わせて記録する
以上5つのステップを参考に、業務を見える化してITコストを削減していきましょう。
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