自社でもできる!“見える化”から始めるIT構成の見直しステップ
「高いシステムを導入してみたものの、実際は使いこなせていない」「部署ごとに使っているツールがバラバラで非効率」——そんなお悩みをお持ちの中小企業や小規模事業者の方へ。
今回は、今あるIT環境を見直し、コストを抑えながら業務を効率化するための現実的なステップをご紹介します。
1. 現状のシステムとコストを“棚卸し”する
まず取り組むべきは、現在使っているITの全体像を把握することです。
見落としがちなポイントも含めて、以下をリストアップしましょう。
- 利用中の業務システムやクラウドサービス
- ExcelやWordによる従来ソフトによる管理
- 紙の帳票や伝票
- 手作業で行っている業務プロセス
- 各種ライセンス料、人件費、保守契約 など
さらに、現場の担当者にヒアリングし、「何のために・どの部署で・どのくらいの頻度で使っているか」も整理します。
その際、「不満点」や「使いづらさ」といった主観的な意見も貴重な情報源です。

いきなり全社的に行わず、まずは部署単位から小さく始めるのが大切です。
各社員の作業をポストイットに書き込みし、ホワイトボードに貼り付けるなど、関係する人全員に見える化するとアイデアが出やすくなります。
2. 無駄の多い領域を特定し、見直し対象を絞る
次に行うのは、“成果のわりにコストがかかりすぎている部分”の特定です。
たとえば:
- 年間〇百万円払っているが、社内でほとんど使われていない業務システム
- 機能が重複している複数のツール(例:チャット、ファイル共有など)
- 二重入力や紙⇔Excelの手間が多い業務
こうした項目の中で、「改善によるコスト削減インパクトが大きく、かつ実行可能性の高いもの」から優先的に見直していくのがポイントです。
効果が出やすい | 優先度② | 優先度① |
効果がでにくい | 保留 | 優先度② |
実行しにくい | 実行しやすい |

「使用頻度&不満度」「重複有無&目的の明確化」など評価軸を2つ挙げて比較し、
優先度が高いものから取り組むと効果的です
3. 代替ツールを調査・比較する
改善すべき領域が見えたら、次は低コストかつ高機能な代替ITツールの調査です。
比較すべきポイントは以下の通り:
- 機能の過不足
- 必要ユーザー数を基にした料金
- セキュリティ基準やサポート体制
- スタッフ全員に受け入れられやすいUI(操作性)
可能であれば無料トライアルを活用し、実際に使ってもらい意見をもらいましょう。
また、旧システムとのランニングコスト差や、改善による時間短縮・作業ミス削減の効果を試算することで、導入判断の材料になります。

「短縮した時間」に「およその時給」を掛けて費用感を出すなど、数字による比較ができるようにしましょう。
4. スムーズな移行計画を立てる
導入するツールが決まったら、無理のないスケジュールと手順で移行を進めましょう。
- データ移行:必要に応じて旧システムからのエクスポート&インポート
- 並行稼働:新旧システムを一定期間併用して移行リスクを最小限に
- トレーニング:基本操作に関する研修やFAQを整備
- スモールスタート:まずは1部署や1プロジェクトで試験導入→全社展開
中小企業の場合、全社一斉導入はリスクが大きいため、「段階的に」「現場の協力を得ながら」進めるのが成功のカギです。

最初から完璧を目指さず、まず“使ってみる”ことが大切です。
各部署のキーマンを巻き込んで戦略的に進めましょう。
5. 定着化と効果の検証も忘れずに
導入後も、ツールが“使われ続ける仕組み”づくりが必要です。
- 操作FAQやチュートリアルを共有
⇒若手社員に任せるのも手です - 定期的なアンケートで不満や改善要望を収集
⇒早めに“つまずき”を取り除くことが重要です - 合格ラインを設定し、導入効果を定量的に検証
⇒例:月の作業時間が〇時間短縮、ライセンス費用〇%削減など
成果が見えれば、経営層や他部門からの理解も得やすくなり、さらなる改善や展開へとつながります。

「時間やコストの削減率」「ツール習熟度マップ」といった成果を見える化することが定着のカギとなります。
📌まとめ:小さな一歩から始めよう
ITは「高額なものを買うこと」ではなく、「自社に合った仕組みを整えること」。
最初の一歩は、「今使っているツールや仕組みを見える化すること」から始まります。
「どこから手を付ければいいかわからない」
そんなときは、公的機関のデジタル化診断ツールなどを使って整理するのも効果的です。
⇒中小企業基盤整備機構:IT戦略ナビwithのホームページ
棚卸から始められる方に向けて『ITツール棚卸しシート』を用意いたしました。
下記よりダウンロードしてください。
※上記ボタンを右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選んでください。
ご希望の方には、無料のオンライン相談窓口を用意しています。
お気軽にお問合せ下さい。
コメント