「自社に合った判断」ができるようになるチェックリスト付き
パソコンを新しく導入するとき、
「Microsoft Officeを入れるか、それとも互換ソフトでコストを抑えるか」
という相談をよく受けます。
とくに不動産・建設業、そしてその周辺の士業の現場では、
- 見積書・請求書・契約書のやり取り
 - 共有フォルダでの図面・帳票の共同編集
 - 現場と事務所の両方での利用
 
など、「誰と」「どんなデータを」「どの環境で扱うか」で最適解が変わります。
本記事では、導入する立場にある経営者、責任者及び個人事業主の方が判断できるように、次の流れで整理します。
判断の軸は「用途 × 操作 × 管理」
1️⃣ どんな用途で使うか(ファイルのやり取り)
| チェックポイント | YesならOffice寄り | 
|---|---|
| 取引先からExcelやWord形式で書類提出を求められる | ✅ | 
| 提出先が自治体・ハウスメーカー・司法書士などでOfficeのテンプレートが用意されている | ✅ | 
| PDF化ではなく、編集可能ファイルで渡すケースがある | ✅ | 
| 社外のフォーマット崩れでトラブルになったことがある | ✅ | 
👉 ポイント:
不動産・建設業界は「形式指定」が多く、ここで崩れると再提出・信頼低下につながります。
互換ソフトでは「罫線」「余白」「日本語フォント」でズレが発生しやすい点に注意。
2️⃣ どんな操作を行うか(機能面)
| チェックポイント | YesならOffice寄り | 
|---|---|
| 関数・ピボット・マクロを使う | ✅ | 
| 既存のテンプレートをそのまま使いたい | ✅ | 
| レイアウトや印刷幅を細かく調整している | ✅ | 
| 外部アドイン(会計・見積システム連携など)を使う | ✅ | 
👉 ポイント:
マクロやアドインを使う現場では、互換ソフトでは動作しない・壊れるリスクが高いです。
見積テンプレや契約書に関数が組み込まれている場合も同様。
※関数・ピボット・マクロ⇒主にエクセル等で使われる自動処理、自動計算の仕組み
※外部アドイン⇒外部ソフトと連携するための仕組み
3️⃣ どう管理・共有するか(運用面)
| チェックポイント | YesならOffice寄り | 
|---|---|
| 同時編集・コメント・承認フローを使いたい | ✅ | 
| 社内共有にOneDriveやSharePointを検討している | ✅ | 
| メールはOutlook、予定表も共有したい | ✅ | 
| 社内でファイルが散らばって困っている | ✅ | 
👉 ポイント:
共同編集・承認履歴・アクセス権の管理が重要な会社は、
Microsoft 365(Business Standard以上)の導入で業務の透明性が上がります。
Google Workspace中心の運用をしている会社以外は、Office系のほうが自然に運用できます。
※OneDrive、SharePoint⇒Microsoftが提供しているクラウドサービス
※Google Workspace⇒Googleが提供しているクラウドサービス
現場・環境による判断ポイント
🏗 現場利用(オフライン)
- 電波の弱い現場や客先で編集する場合 → デスクトップ版Officeが安定
 - Googleなどの互換ソフトのWeb版はネット依存のため、現場作業では不安定なことも
 
💻 端末・OSの混在リスク
複数のパソコンを順次買い替えると、
Windows 10/11混在やOfficeのバージョン違いが発生します。
- バージョン違いによる書式崩れ・マクロエラー
 - 共有フォルダでの「上書き保存事故」
 - サポート切れPCが残るリスク
 
👉 対策:
可能な限りバージョン統一(サブスクのMicrosoft 365に揃えるなど)を。
混在環境の管理コストは見えにくいですが、トラブル発生率を大きく左右します。
コストの見方を「導入費」ではなく「運用費」で考える
| 比較項目 | Office(Microsoft 365) | 互換ソフト | 
|---|---|---|
| 初期費用 | 年額制(1ユーザーあたり1.5〜1.8万円) | 無料〜数千円 | 
| 導入後サポート | Microsoft公式+ベンダーサポートあり | メール・フォーラム中心(英語対応も多い) | 
| 教育コスト | 書籍・動画が豊富 | ユーザー教育に時間がかかる場合あり | 
| ファイルトラブル対応 | ベンダーが明確 | 自己解決が中心 | 
👉 結論:
導入時の差額よりも、「混在による手戻り・相談対応・再教育」のコストが大きい。
IT担当がいない場合など自己解決が難しい場合は、公式サポートの手厚いOffice(Microsoft 365)が安心です。
さらに気を付けたいこと
📁 既存データの移行
- 古いバージョンで作成された
エクセルファイルなどを扱う場合は要確認。 - 互換ソフトでは開けても「文字化け」「印刷ずれ」が出るケースあり。
 - 特殊フォント(明朝体・ゴシック体の差異)にも注意。
 
💳 サブスクの重複
- すでにGoogle Workspaceを利用している場合、
Office系を追加するとクラウドサービスとして二重投資になる場合も。
→ ただし帳票精度重視ならOffice、リアルタイム編集重視ならGoogleのままも選択肢。 
最終チェックリスト(自社で判断できる)
| 質問 | Yesの数 | 傾向 | 
|---|---|---|
| 取引先がExcel/Word指定 | Microsoft Office向き | |
| マクロやピボットを使う | Microsoft Office向き | |
| レイアウト崩れを避けたい | Microsoft Office向き | |
| 同時編集・承認が必要 | Microsoft Office向き | |
| 現場でオフライン編集が多い | Microsoft Office向き | |
| コスト優先/社内完結業務が多い | 互換ソフト向き | |
| PDF提出中心 | 互換ソフト向き | 
👉 Yesが4つ以上:Microsoft Office(できればサブスクのMicrosoft365)を中心に
👉 Yesが3つ以下:互換ソフトも検討可(運用ルール整備が前提)
まとめ
| 結論タイプ | 向いている会社像 | 
|---|---|
| Microsoft Office導入 | 取引先が多く、見積・契約書などの書式精度が求められる会社 | 
| 互換ソフト活用 | 内製資料・PDF中心・コスト最優先の小規模事業者 | 
| ハイブリッド運用 | 編集はOffice、配布はPDFや互換形式でコストを抑える | 
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