「課題の特定と見直し対象の絞り込み」は、IT構成を見直す際に「どこから手を付けるべきか」「何を変えると最も効果があるか」を見極める重要なステップです。
ここでは、小規模事業者でも実践しやすいように 4つの具体ステップ に分けて解説します。
✅ 現状のシステムとコストを“棚卸し”する
まず取り組むべきは、現在使っているITの全体像を把握することです。
見落としがちなポイントも含めて、以下をリストアップしましょう。
- 利用中の業務システムやクラウドサービス
- ExcelやWordによる従来ソフトによる管理
- 紙の帳票や伝票
- 手作業で行っている業務プロセス
- 各種ライセンス料、人件費、保守契約 など
さらに、現場の担当者にヒアリングし、「何のために・どの部署で・どのくらいの頻度で使っているか」も整理します。
その際、「不満点」や「使いづらさ」といった主観的な意見も貴重な情報源です。
✅ ステップ1|ツール・業務を「使われ方」と「不満度」で評価する
先に作成した「棚卸しリスト」をもとに、以下の2軸でそれぞれ評価します:
評価軸 | チェックポイント例 |
---|---|
使用頻度 | 毎日?週1?月1?ほぼ未使用? |
利用者の不満度 | 操作が難しい/入力が面倒/遅い/連携できない |
👉 おすすめ:5段階評価 or 色分け(赤・黄・緑)
例)
- 使用頻度「★☆☆☆☆」=月1未満
- 不満度「★★★★☆」=非常に不満が多い
この評価で、「使われていない/不満が多い」ものが候補に上がります。

「使用頻度」「不満度」は継続利用の重要な判断軸になります。
最優先で評価しましょう。
✅ ステップ2|「重複」や「目的があいまい」なツールを探す
次に、以下に該当する項目をリストから抽出します:
- 同じ機能のツールが複数ある
→ 例:顧客情報をExcel・CRM・紙台帳で管理している - 目的があいまい/使いどころが不明
→ 例:以前導入したが「なんとなく使っている」ツール - データ連携されていない
→ 二重入力・手作業が発生している箇所(→効率が悪い)
これらは「統合・削減の対象」になります。

各項目において、それぞれ5段階評価し、優先順位を決めておくとスムーズです
✅ ステップ3|費用対効果が低いものを優先チェック
次に、「コスト(費用)」に注目します:
- ライセンス料や保守費が高いのに使用頻度が低い
- 費用に対して実際の効果(工数削減、売上貢献など)が見えづらい
👉 総保有コスト = 月額費用 × 利用期間 をざっくり出してみて、
「使ってるわりにお金がかかりすぎ」と思うツールは見直し候補です。

時間や人などと掛け合わせて、費用化して見える化しましょう。
✅ ステップ4|「改善インパクト × 実行しやすさ」で優先順位をつける
最後に、候補を絞ったら「どれから手を付けるか?」を決めます。
観点 | 具体例 |
---|---|
改善インパクト | 時間削減できる、人的ミスを防げる、コストが下がるなど |
実行のしやすさ | ツールの乗り換えが簡単、無料トライアルがある、少人数で試せるなど |
👉 2軸のマトリクスでざっくり整理するのも有効です:
効果が出やすい | 優先度② | 優先度① |
効果がでにくい | 保留 | 優先度② |
実行しにくい | 実行しやすい |

効果が出やすく実行しやすいので、上手くいきやすいです。
💡 具体例:よくある見直し対象
ツール名 | 課題 | 対応 |
---|---|---|
高額なグループウェア | 月額5,000円/人かけているがチャットしか使っていない | Chatworkなど月額500円以下の代替へ |
Excel台帳 | 複数人で共有すると入力が被る/誤記が多い | BacklogやNotionなどのクラウドツールに置き換え |
紙ベースの請求書 | 手入力・郵送に時間と手間 | freeeやMisocaなどで電子化 |
✍️ まとめ
この「見直し対象の絞り込み」では、
- 使われていない
- 不満が多い
- コストが高い
という3つの条件を満たすものを優先候補としてピックアップし、の中から「効果が高く、取りかかりやすい」ものから着手するのが成功のコツです。
「どこから手を付ければいいかわからない」という方には、無料のオンライン相談窓口を用意しています。お気軽にお問合せ下さい。
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