もう高いツールは不要?小さな会社のための「ちょうどいいIT」選び方ガイド

小さな会社のための「ちょうどいいIT」選び方ガイド IT全般
小さな会社のための「ちょうどいいIT」選び方ガイド

「代替ツールの調査と評価」は、現状の課題を解決し、かつコストを抑えられるITツールを見つけ出すステップです。ただし、単純に「安ければよい」というものではありません。中小企業の現場に合った**“使いやすくて成果の出やすい”**ツールを見極めるために、以下のように進めると効果的です。

skill-pass

20年以上にわたり中小企業や個人事業主のIT課題解決に尽力。大手ISPでのユーザーサポートやPCスクールのインストラクターのスキルを活かした、ユーザー目線のレクチャーやトラブル対応。FPや簿記の知識、決算作業の経験を活かしたバックオフィス業務の効率化。10年にわたり中小企業の社内IT責任者を担った経験ベースにした、社内IT業務管理を強みとしています。

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✅ 現状のシステムとコストを“棚卸し”する

まず取り組むべきは、現在使っているITの全体像を把握することです。
見落としがちなポイントも含めて、以下をリストアップしましょう。

  • 利用中の業務システムやクラウドサービス
  • ExcelやWordによる従来ソフトによる管理
  • 紙の帳票や伝票
  • 手作業で行っている業務プロセス
  • 各種ライセンス料、人件費、保守契約 など

さらに、現場の担当者にヒアリングし、「何のために・どの部署で・どのくらいの頻度で使っているか」も整理します。
その際、「不満点」や「使いづらさ」といった主観的な意見も貴重な情報源です。

✅ ステップ1|「必要な機能」を明確にする(現状→理想の姿)

まずは、「どんな機能が必要か」「どんな課題を解決したいか」を整理します。

例:プロジェクト管理ツールを見直したい場合

現状の課題:

  • 進捗がわからない
  • 期日が守られない
  • 情報が部署間で共有されていない

必要な機能(=代替ツールに求めるもの)

  • タスクの可視化(一覧・カンバン・ガントチャート)
  • 担当者・期日設定
  • チャットやコメント機能
  • モバイル対応

👉「絶対に必要な機能(Must)」と「あると便利な機能(Want)」を区別しておくと、選定しやすくなります。


✅ ステップ2|複数の候補をピックアップ

目的に応じて、3〜5社程度の代替ツール候補を比較します。
比較時には以下のような観点を一覧にまとめると見やすいです。

📝 ツール比較表(例:法人向け会計ソフト)

ツール名月額費用特徴操作性サポート体制試用の有無備考
freee¥2,980〜会計初心者に優しいチャット+電話○(30日)シンプルな操作性
マネーフォワード¥2,980〜会計+給与+経費の一体化メール+FAQ○(30日)一元化に向く
弥生会計Next¥3,190〜法人向けに根強いチャット+FAQ〇(90日)旧環境との互換性あり

※上記は主観的な要素も入っていますので、あくまで一覧表の作成イメージとしてご活用ください。


✅ ステップ3|無料トライアル or デモを活用する

小規模事業においては「使いやすさ」が最重要です。導入前に以下を確認しましょう:

  • 実際に画面を触ってみて「直感的に使えるか」
  • 現場のスタッフが「これならやれそう」と感じるか
  • 自社の環境(ブラウザ、PCスペック)で問題なく動作するか

👉 トライアル中に確認すべきポイント:

チェック項目具体的内容
UI・操作性マニュアルを見ずに使い始められるか?
初期設定の手間導入にどれだけ時間・手間がかかるか?
スマホ対応モバイルでも使いやすいか?
サポート体制困った時にすぐ相談できるか?
社員の反応「やりやすい」「前よりラク」などの反応は?

✅ ステップ4|コストと効果を数字で比較する(TCOとROI)

「費用が安いから導入」ではなく、「どれだけコストに見合う効果が出るか」を試算します。
ここでは役に立つ2つの数値をご紹介します。

■ TCO(Total Cost of Ownership)

電子機器やPCソフトといった製品やサービスの購入から廃棄(サービス解約)までにかかる費用の総額=総所有コスト
算出方法: 月額×利用人数×年数+サポート料+教育コスト

■ ROI(Return on Investment)

投資した資本に対して「どれだけの利益を得られたか」を示す割合
算出方法: 時間削減 × 時給換算 – 利用コスト = 利益

✍️ 例:手作業の経費精算に月10時間かかっていた → freeeで半分に

  • 月5時間削減 × 時給2,000円 × 12ヶ月 = 年間12万円分の工数削減
  • ツール費用 年間3万円 → ROIは約4倍

✅ ステップ5|現場の声を反映して最終判断

評価が終わったら、経営者・現場スタッフの両方の視点を取り入れて判断します。

  • 現場の「使いたい」感覚を無視すると、導入しても使われなくなります
  • 経営者の「費用対効果」だけで決めると、現場が困って反発することも

👉 現場一部署でパイロット導入 → 好感触が得られたら全社展開
この「お試し→判断」の流れがリスクを最小限にします。


🎯 まとめ|「自社に合ったツール」を見つける目線

  1. 「理想の状態」から必要な機能を逆算
  2. 複数サービスを比較・評価
  3. 実際に試して、操作性と社内の反応をチェック
  4. 数字で効果を試算して納得感を持つ

上記4項目の目線から “使いやすくて成果の出やすい” ツールを見極めていきましょう。


「どこから手を付ければいいかわからない」という方には、無料のオンライン相談窓口を用意しています。お気軽にお問合せ下さい。

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