【中小企業向け】Windows HomeとProの違い|業務利用ならPro一択の理由

【中小企業向け】Windows HomeとProの違い|業務利用ならPro一択の理由 IT全般
【中小企業向け】Windows HomeとProの違い|業務利用ならPro一択の理由

― 中小企業がHomeを選んではいけない理由とは ―

「Homeで問題ないですよね?」という“よくある誤解”

業務用パソコンを選ぶ際、
「値段が安いからHomeでよい」
「ExcelとメールだけならHomeでも問題ないだろう」
と判断してしまうケースは非常に多くあります。

実際、メーカー製PCでは Homeのほうが1〜1.5万円ほど安いため、
価格だけを見るとHomeを選びたくなるのは自然です。

DELL社のオンラインショップでの構成選択画面(Dell スリム デスクトップ R7.11.14現在)

しかし、この“1万円の節約”が、後々数十万円規模のトラブル・情報漏えいリスクを招くことがあります。まずは両者の違いを整理します。

skill-pass

20年以上にわたり中小企業や個人事業主のIT課題解決に尽力。大手ISPでのユーザーサポートやPCスクールのインストラクターのスキルを活かした、ユーザー目線のレクチャーやトラブル対応。FPや簿記の知識、決算作業の経験を活かしたバックオフィス業務の効率化。10年にわたり中小企業の社内IT責任者を担った経験ベースにした、社内IT業務管理を強みとしています。

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Windows HomeとProの違い(概要)

分類HomePro
端末のセキュリティデバイス暗号化(簡易版・機種依存)BitLockerで完全暗号化
リモート操作受信側は不可リモートデスクトップ受信対応
デバイス管理基本的な設定のみ詳細な制御(グループポリシー)
更新管理PCごとにばらつく更新タイミングを統制可能
Microsoft 365限定的な連携Entra ID参加で統合管理
想定用途家庭向け業務向け標準
価格帯安い(Proより約1万円ほど下)やや高い(ただし企業向け機能込み)

なぜHomeを選んではいけないのか?

情報漏えいリスクを防ぎきれない

HDDやSSD内のデータを丸ごと守る暗号化機能があれば、たとえパソコンが盗まれ、HDDやSSDを取り出して別のパソコンにつないでも、中のデータを読み取ることは基本的にはできません。

Homeにも簡易版の「デバイス暗号化」機能はあり、プライベートには適していますが、

  • 動作環境を満たしていない機種では利用できない
  • 回復キーを統合管理できない

といった制約が多く、業務利用には不十分です。一方、Proの暗号化機能 「BitLocker

  • 盗難・紛失時でもデータを保護
  • 回復キーを安全にバックアップ
  • USBメモリも暗号化可能

と、業務に耐えうる暗号化を提供します。

わずか1万円ほどの差で得られる安心としては、非常に大きいと言えます。

暗号化は安全である一方
・PC故障時にHDDやSSD内のデータを取り出すことが出来ない
・全ての端末で、暗号化を元に戻す回復キーを控えておく必要がある
といった注意点があります。


テレワークや外出先での業務が制限される

「テレワークで自宅から会社のPCにアクセスしたい」
「外出先で必要になった資料を会社のPCから取り寄せたい」

こういったときにはWindowsの標準機能であるリモートデスクトップが使えます。

しかし、Homeはリモートデスクトップの受信(受け入れ)に対応していません。

Homeは単独で使用することを前提としているため、
アクセスをしに行くことはできますが、
アクセスを受け入れることが苦手です。


そのため会社でHomeを使っている場合には、

  • Chromeリモートデスクトップ
  • TeamViewer
  • AnyDesk

などの外部ソフトを用意する必要があります。

これは、
運用負荷・セキュリティリスク・外部サービス依存
が増えるため、業務には適しません。

Proなら標準で リモートデスクトップ が利用でき、
外部サービスを使わずに業務が継続できます。

外部から社内のネットワークにアクセスするようになりますので、
安全に使用するためには、様々な制限を設ける必要があります。


会社としてPCを管理できず、トラブルが増える

Homeでは会社として十分な端末管理ができません。

  • 不要アプリの勝手なインストール禁止
  • USBメモリ使用制限
  • Windows Updateの統一
  • セキュリティ設定の一括適用

これらはすべてProの「グループポリシー」で設定することができます。

すでにHomeを導入している場合であれば、
社内ルールを定め運用マニュアルを周知させる
といった対策が有効です。

管理されていないPCは、
設定がバラバラ・トラブル元不明・復旧コスト増大
といった問題を引き起こします。

1万円の節約で、管理不能の“野良PC”が社内に生まれるのは大きな損失です。


Microsoft 365との連携が弱く、運用が複雑化する

Teams・OneDrive・SharePointといったMicrosoft 365製品を使う企業が増えている今、
鍵になるのが Microsoft Entra ID(旧Azure AD) です。

Entra IDとは、

  • 社員アカウント
  • パスワード
  • PC・スマホの登録
  • 多要素認証
    などをまとめて管理する“会社用のアカウントシステム”。

ProはPCをEntra IDに参加させることができ、
社員のログイン・権限・設定を一元管理できます。

HomeはEntra ID参加ができないため、
社員ごとに設定がバラバラになり、管理が煩雑になります。

※「Microsoft 365相談センター」によるMicrosoft Entra IDの説明記事
https://licensecounter.jp/microsoft365/blog/2023/02/azuread-fundamentals.html


結論:1万円の差で大きな安心が買える。業務利用なら「Windows Pro」一択

Windows Proは、
単なる“上位版”ではなく、業務用PCの必須条件です。

  • 情報漏えいを防ぐ
  • テレワークを安全に行う
  • 社内PCを統合管理する
  • Microsoft 365を正しく運用する

これらを満たすにはProが欠かせません。

HomeとProの差額はわずか1万円前後。
トラブル対応・情報漏えい時の損失と比べれば、圧倒的に安い投資です。

中小企業が業務で使うなら、迷わずWindows Proを選びましょう。

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