【2025年版】BitLockerを使うメリット・デメリット― セキュリティ強化と“もしもの詰み”を両立させるには ―

BitLockerの仕組みと、中小企業が知っておきたいメリット・デメリットを分かりやすく整理。 未分類
BitLockerの仕組みと、中小企業が知っておきたいメリット・デメリットを分かりやすく整理。

パソコンの紛失・盗難・修理――。
こうしたトラブルのときに「中のデータが見られないようにする」のが、Windows Proに標準搭載されているBitLocker(ビットロッカー)という機能です。
※Windows Homeでは簡易版の「デバイスの暗号化」機能になります。

セキュリティを強化するうえで非常に有効ですが、使い方を誤ると「自分でも開けない金庫」になってしまうことも。
今回は、BitLockerのメリットとデメリットを実務目線で整理してみましょう。

skill-pass

20年以上にわたり中小企業や個人事業主のIT課題解決に尽力。大手ISPでのユーザーサポートやPCスクールのインストラクターのスキルを活かした、ユーザー目線のレクチャーやトラブル対応。FPや簿記の知識、決算作業の経験を活かしたバックオフィス業務の効率化。10年にわたり中小企業の社内IT責任者を担った経験ベースにした、社内IT業務管理を強みとしています。

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BitLockerとは?(基本の理解)

BitLockerは、Windows Pro/Enterpriseに搭載されているドライブ暗号化機能です。
パソコンの中に保存されているデータを丸ごと暗号化し、本人以外が読み取れない状態にします。

一言で言えば、

「盗まれても、データを見られないようにする金庫の鍵」
です。


BitLockerを使うメリット

① 盗難・紛失時の情報漏えいを防げる

ノートPCや外付けHDDを紛失した場合でも、
BitLockerが有効なら中身のデータは暗号化されており、他人がアクセスできません。
特に個人情報・顧客データを扱う中小企業では、セキュリティ保険のような存在になります。


② Windows標準機能でコストがかからない

BitLockerは追加費用なしで利用可能(Windows 10/11 Pro以上)。
専用ソフトを導入しなくても、企業の情報保護対策として使えます。


③ Microsoftアカウントや社内管理で一元化できる

Microsoftアカウントでサインインしていれば、
回復キー(暗号化解除キー)が自動的にクラウドへバックアップされるようになります。
管理者が複数台のPCをまとめて管理することも可能です。

回復キーがないといざという時に詰みます!
バックアップがちゃんと取れているか必ず確認しましょう。
USBや紙で保存しておくのも安心です。


④ 外部メディアにも対応できる

USBメモリや外付けHDDなどにもBitLocker To Goとして暗号化を適用可能。
外にデータを持ち出す業務にも安心です。


BitLockerを使うデメリット(注意点)

① 回復キーを紛失すると“詰む”

最大の注意点です。
PCが壊れた・再インストールした・SSDを抜き出したなどの際、回復キーが求められます。
キーを控えていないと、自分でもデータを開けなくなります。

→ 対策:必ずMicrosoftアカウント・USB・印刷でバックアップ


② パフォーマンスがわずかに低下する

データを暗号化・復号化しながら処理するため、
古いPCでは動作が少し重くなることがあります。
特にHDDモデルでは体感で分かることも。
(SSDの場合はほぼ問題なし)


③ トラブル対応の難易度が上がる

Windowsが起動しない/パーツを交換したとき、BitLockerの影響で復旧作業が複雑になることがあります。
社内にIT担当がいない場合、「修理に出したのにデータが渡せない」状態になることも。


④ すべてのユーザーが理解していないと混乱する

社員全員がBitLockerの仕組みを知らないまま使っていると、
回復キーの管理や暗号化の有効/無効があいまいになります。
社内ルール化が必要です。


メリット・デメリットまとめ

区分内容対策ポイント
メリット①情報漏えいを防ぐ紛失・盗難対策に最適
メリット②標準搭載でコスト不要Proエディションなら無料
メリット③アカウント連携管理が可能Microsoftアカウントでバックアップ
メリット④USBメディアも暗号化可能BitLocker To Goの活用
デメリット①回復キー紛失でデータ喪失必ずバックアップを取る
デメリット②古いPCで処理が遅くなるSSD化・PC更新を検討
デメリット③トラブル時に復旧が難しい管理者・外部ITサポートを設定
デメリット④利用者が理解していない社内ルールを整備する

まとめ:BitLockerは“信頼と危機管理”の両立ツール

BitLockerは、正しく使えば中小企業の情報セキュリティを強化する最強の味方です。
ただし、「設定したら終わり」ではなく、
回復キーの管理」と「社内共有ルール」があって初めて安心が得られます。

セキュリティは“万能の盾”ではなく、“扱い方次第の道具”です。
自社に合った使い方で、安全に活用していきましょう。


スキルパスからのひとこと

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